プリティーリズム オーロラドリームを完走した話

こんばんは。先日プリティーリズム オーロラドリーム 全51話を完走しました。

プリティーリズムとはキンプリ(KING OF PRISM)を含む一つの大きなシリーズです。キンプリ自体は応援上映を大きく普及させるきっかけとなっており、映画が公開された際には尻から蜂蜜が出る、プリズムのきらめきなどのインパクトのあるツイートが話題になることも多かったため、名前だけは知っている人もいるのではないでしょうか。

こういったレポート漫画を見かけることも多かったはず…。

 

オーロラドリームはプリティーリズムシリーズの中の第一作目に当たります。

シリーズ全体のコンセプトは、「プリズムショー」と呼ばれるダンスとアイススケートを融合した架空のスポーツを通してキャラクターの成長を見守るといったところでしょうか。プリズムショーは細かい部分は変わっていますが、どの作品にも共通するシリーズの核となっています。オーロラドリームではダンス・アイススケートに加えてコーデの要素も加わっているため衣装のバリエーションが豊富です。

 

そんなオーロラドリームは完全な女児向けアニメ。当時の放送時間は土曜日の午前11:00。おジャ魔女どれみプリキュアのような位置づけですね。主な視聴対象は女児のはずなのにどうして大人がハマってしまうのか…。詳しいことはこれから書いていきますが、大人が見ても入り込めるくらいストーリー性が強いからに他ならないと思っています。

 

◎オーロラドリームのあらすじ

おしゃれが大好き!でも、運動が苦手でおっちょこちょいなあいら

天真爛漫!抜群の運動神経でプリズムショーのレッスンに励むりずむ

孤高のスター!カリスマモデルでありながら華麗なプリズムショーも行うみおん

 

性格も特技もばらばらの三人が偶然出会い、プリズムショーを通して成長していく様子が描かれたサクセスストーリー。そして、三人の運命を左右するのは伝説のジャンプ「オーロラライジング」 

キャラクターの人生と伝説とまで呼ばれるジャンプの謎が交差し、物語は加速度的に面白くなっていく。友情、努力、勝利、そして恋。青春に必要な要素が全部ぶち込まれた、スポコン好き・少女漫画で育った・とにかく可愛い女の子が見たい…あらゆる人が楽しめるお話です。

キャッチコピーは「なりたい自分にプリズムジャンプ!」

 

◎オーロラドリームの構成

 オーロラドリームは全51話。放送期間にすると約1年です。

 ……長くないか? そう、女児向けアニメの最大の問題点は話数が多いこと。年齢を重ね、2クールアニメですらやっと見ている状態の大人が完走できるのかという疑問があるのではないでしょうか。私も最初はそう思っていました。特に女児アニメは導入部分が長く、1・2クールアニメにかけて物語の密度が上がるのが遅いです。それでもやっぱり最初から見て欲しい。最初から見るからこそ、物語には価値があるのだ…。だからどんな構成なのか書いていきますね。

 

1期:あいらとりずむの出会い~大会編

プリズムショーをやったことがないあいら、運動神経抜群のりずむ。偶然出会った二人はスカウトされて事務所に所属することに。コーチもついて練習漬けの毎日の中でも、恋におしゃれに大忙し。そして、ティアラカップという個人大会に出場することが決定。果たして二人は無事にショーが終えられるのか。優勝はどちらの手に?!

 

2期:みおんとの対面~ライバル登場編

日本から離れていたカリスマモデルみおんが事務所へ帰ってきた!しかしみおんの本性はあまりにも高飛車で、二人と打ち解けようとしない。デュオ大会への出場も決まったものの、あいらとりずむでどちらがみおんと組むのか争うことに。関係性が変化する中で強力なライバルも登場!勝敗の行方はどうなる?!

 

3期:MARs結成~謎の少女登場編

なんと三人でアイドルユニット「MARs」を結成することに。芸能界デビューをし、撮影に追われながら三人の仲は変化していく。ライバルとの競争、気になるあの人との距離感、アイドルとしての成長…様々なことに翻弄されながら臨むのはトリオ大会。そこへ現れた謎の少女。

大会の結果は?少女の正体は?!そして伝説のジャンプ「オーロラライジング」の謎へと迫り、物語も佳境へ…!!

 

4期:プリズムクイーンカップ~チームはいったん解散してそれぞれ頑張る編

MARsを一度休止し、三人はそれぞれ最大の大会「プリズムクイーンカップへの練習へと打ち込んでいく。

友情って、家族って、夢って、プリズムショーって、オーロラライジングって…結局私たちにとってなんなんだろう?これまでの謎を全て回収しながら描かれるのは三人が掴んだ疑問への答え。最終回のその先まで見たくなる!怒涛のラスト11話!!

 

ざっくり分けただけですがスポーツ漫画・アニメに似た構成になっているのが分かりますね。また衣装も豊富なため水着・浴衣・メイド服・着物・着ぐるみなど様々なコーデを見ることができます。ありがとう。オタクの夢を叶えてくれて。

少しでもオーロラドリームを見る足掛かりにしてもらえたら嬉しいです。

 

◎キャラクターの魅力

オーロラドリームの魅力はストーリーだけではありません。とにかくキャラクターが可愛い!ビジュアルも勿論ですが内面や言動、ショーへの姿勢など構成する全てが可愛くて仕方がない!簡単にですが、私が感じたキャラの可愛さを紹介します。

◎MARs

春音あいら

オシャレが大好きな14歳。運動音痴でおっちょこちょいだけど、聖母のように優しい心を持つ。顔が可愛すぎませんか?助けてください。

あいらちゃんはファッションセンスに優れ、お洋服の声が聞こえるという特殊能力を持っていますがそんなことある…??? チートでは??

他のキャラに比べるとあいらちゃんはどこにでもいる普通の女の子という性格が目立ちますが、持ち前の優しさとガッツで乗り切ります。プリズムショー初心者だった彼女の心技体全ての面での成長は必見です。特に聖母のように優しい心は物語でもかなり重要な一面になってきます。51話を走り抜いた時、きっとあなたはあいらちゃんに懺悔したくなる。

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画像引用元:©あにてれ:プリティーリズム・オーロラドリーム

 

天宮りずむ

天真爛漫な14歳。運動神経抜群で難易度の高いダンスもこなせる、パラメーターが運動方面に振り切れているタイプ。お察しの通り大食いです。キャラ付けが最高。

オーロラライジングに対する執着があり、ストーリーの根幹にも関わってきます。

りずむちゃんの魅力はその多面性にあります。元気な少女が前面に押し出されつつも彼女の人生には様々な問題が横たわっており、時に悩み、怒りそして悲しい選択をしてしまう時さえあります。しかしそれは全て彼女に内在された人間性であり、私たちは物語を通じて天宮りずむが歩んだ人生を知ることになるのです。

また、好きな人(ヒビキさん)と接する時の可愛さは凄まじく、いつの間にか二人の恋の行方に憑りつかれているはず。

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画像引用元:©あにてれ:プリティーリズム・オーロラドリーム

高峰みおん

カリスマモデルでありながらプリズムスター。孤高の14歳。愛称はみおん様

みおん様はその呼び名に違わずプロ意識もプライドも高い女の子です。ダンス・ファッションセンス・歌と何もかもレベルが高い。だからこそ序盤はあいら・りずむとの差が顕著に描かれています。

みおん様の最大の魅力は変化にあります。三人の中でも最も性格・行動共に変化が著しい。そして変わることにより、より美しくより新しくより高みへ上ることができる人です。美しいのに可愛くて、ツンデレだけど簡単にはデレない。万華鏡のようにキラキラと変化し続ける姿に、あなたもみおん様のファンになってしまうでしょう。

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 画像引用元:©あにてれ:プリティーリズム・オーロラドリーム

 

◎Callings

1話から登場するアイドル兼プリズムスター。全員16歳。なんか画像ガビガビじゃない?

 とにかくかっこいい。かっこいいんですよ。正統派アイドルといったところでしょうか。基本的に主役三人に関わる形で登場する役割になっていますが、心の成長を促すような立ち位置になることが多いです。やっぱり画像ガビガビじゃない??

 

ショウ(左)

あいらの想い人。優しいかと思いきやなかなかの問題児(10話参照)。その性格のめちゃくちゃさは続編ディアマイフューチャーまで引き継がれており、本当にあいらちゃんを任せていいのかという疑問が出てくるレベルだが不器用なだけという説もある。基本的には正統派王子様系アイドル。

ヒビキ(中央)

りずむの想い人。クールだが努力家でもある。ギャップのある男っていいよね。りずむに対して積極的に接し、彼女の心を解く役割を担う。セリフだけ聞けば乙女ゲームの攻略キャラかと言わんばかりにべたべたに甘いことを言う。声優はKENN。

ワタル(右)

ショタ系。みおん様に想いを寄せているらしいがなかなか相手にされない。しかし、みおん様の性格を理解した上でかける言葉や先読みした行動が彼女の悩みを解決することも多く、真の意味での理解者。人間が出来すぎている。

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 画像引用元:©あにてれ:プリティーリズム・オーロラドリーム

 

◎プリティートップ

メイン三人が所属する事務所の運営側。

ジュン(左)

マネージャー。顔が綺麗。ポエミーな発言で場を惑わすがその言葉は常に本質を突いている。

阿世知今日子(右)

どことなくアイドルマスター出身感を漂わせる社長。彼女の過去や抱えた思いが物語に大きく関わってくる。

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◎せれのん

関西から来た14歳のライバルコンビ。プリズムスターでもあるが漫才コンビを組んでおり、二人がメインの回もある。ボケとツッコミよろしくそれぞれ独立した強さを持つ反面、言葉にはしない絆を感じられる点も注目してほしい。

 左:セレナ 右:かのん

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 画像引用元:©あにてれ:プリティーリズム・オーロラドリーム

 

◎謎の少女

かなめ

オタクって謎の少女が好きだから(5・7・5)とにかく謎に包まれたロリキャラ。

人との距離感が近く、作中屈指の身体的接触率を誇る。人の匂いを嗅いで人格を判断する。まんがタイムきららから来たのか?

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主要キャラだけに絞りましたが、作中ではここには書ききれないくらいの魅力があります。オーロラドリームはキャラクター同士が一緒に成長していくシーンが多く、特にユニット内の友情・恋愛感情を中心とした心理描写が美しいです。次は恋と友情について書いていこうと思います。

 

◎恋と友情 そして心の飛躍

作中で頻出する言葉の一つに「プリズムジャンプは心の飛躍」というものがあります。実際のフィギュアスケートだとジャンプを飛ぶのに必要なのは技術や努力ですが、プリティーリズムシリーズでは本人の心の動きによって飛ぶことが出来ます。

心の飛躍のきっかけとして顕著に描かれるのは恋と友情です。

物語のメインとなる女の子三人と恋愛関係が描かれるのは男性アイドルCallings。

あいらとショウ。りずむとヒビキ。みおんとワタル。描かれる恋愛模様三者三様であり、恋心の形もアプローチの仕方も接し方も異なってきます。

例えばみおんとワタルは決して両想いとは言えない関係性が明示されていますが、二人の間にあるのは恋というよりも理解と信頼です。好きと言うだけが恋愛ではない。必要な時に必要な言葉をかけてあげられることもまた恋の一つの在り方で、その愛を受けた時に人がどういった飛躍をするのか。そういった必要不可欠なシーンが多いです。

ところで、恋愛もですが友情も難しいですよね。共通の話題で楽しく話すことだけが友情でしょうか。何も言わずに見守ったり、支えたり、怒ったり、離れたりすることもきっと友情なのだと思います。

オーロラドリームで描かれるのは多様的な友情。信頼して支え合うこと。自立して前を向くこと。時には争い、悲しい場面も描かれますがそれはひとえにキャラクターが本気でプリズムショーに向き合っているから生まれるのだと考えます。それが美しいプリズムジャンプへと繋がる。オーロラドリームは心の動きがショーの内容に直結し、51話かけて進化し続けた物語だと思っています。

 

◎家族の描き方

 プリティーリズムシリーズに共通するテーマでもあるのですが「家族」というバックボーンがキャラクター性に大きな影響を及ぼしています。

いわゆる「普通」とされている家庭――両親や兄弟がいて、愛されていて何不自由のない生活が送れる子。片親であり、母親との思い出が何一つなく母親に対するあこがれを強める子。両親がいてもなかなか会えず、寂しい思いを押し殺して過ごす子。そして親からの期待を背負い、自分の人生を失っていった子。

プリティーリズムシリーズが大人から愛される理由はこの家庭環境の描き方にあるのではないかと考えています。全員が肯定できる人生を送ってきたわけではない。そのためどれだけ親しくても嫉妬したり、比べてしまったり、結果的に関係性に亀裂が入ってしまうこともある。それでもその気持ちをなかったことにせずどう生きていくかを考える。オーロラドリームはご都合主義な部分も多いですが、現実の残酷性が反映された内容となっています。中にはそれを嫌がる人もいるかもしれませんが、虚構と現実を織り交ぜた物語は真実味が強く、心惹かれるものであることをお約束します。

また、より現実に即した背景を踏まえてアニメを楽しみたい方にはレインボーライブをおすすめします。オーロラドリームから独立した作品なので単体で見ても大丈夫です。

 

◎夢について

オーロラドリームのキャッチコピーは「なりたい自分にプリズムジャンプ」

なりたい自分って難しいですよね。大人になると、なりたい自分ではなくなれる自分を考えてしまいます。それは決して悪いことではなく自分の能力や容姿、立ち位置などを客観視出来た結果なのでしょう。だっていつまでも夢を見てるのはダセーって現実の大人はすぐに言うじゃないですか。全然お前の人生に関係ないのにな。

メイン三人の中でも主人公に当たるあいらちゃんは夢が明確に定まっていないキャラクターでした。始めは読者モデルになりたかった。それが、プリズムショーを経て夢が変わっていって視聴者も彼女自身も想像もつかない、なりたい自分を目指すことになります。

36話からあいらちゃんのセリフを引用します。

 

「最初はどんなことでもいいの。小さな夢とか目標を持って、それが頑張って出来た時に自信になる。そしたらその自信でそれよりももう少し大きな夢を持って、頑張ってみようと思える。そうするとどんどんたくさん夢が増えてきて、まるで宝探しみたいにワクワクして。心の中が新しい宝物でいっぱいになる。毎日がキラキラ輝いて見えるの」

「勿論楽しいことばっかりじゃなくて、辛いことも悲しいこともあったりするけど。それまでの手に入れた心の中の宝物が勇気になって、頑張らなきゃって思える。今日がダメでもまた明日。明日がダメでも明後日。きっと乗り越えられるって信じて頑張れる」

 

あいらちゃんは秀でた能力はあるものの、平均的な女の子として描かれます。

夢も目標も分からない。それが原因で悩むこともあります。しかし彼女が真の力を発揮するのは、その夢の在り方を模索する時です。夢は自分一人で掴まなくてもいい。誰かと一緒に夢を見たり、もうあきらめてしまった人の代わりに背負ったり…。様々な夢の形を私たちに見せてくれる存在。それが主人公:春音あいらだと思います。

私はオーロラドリームに、今はまだなりたい自分が分からなくてもいい。日々を過ごすうちにいつの間にか夢は手の中にあって、人生を生きることでそこに駆け上がることができる。そして夢は決して一つではなく、世界中に点在するものである。

そんな一種の許しのようなものを見出しました。

これは私の感想です。別の人生を送る誰かから見たら、もっと違った物語になるのだと思います。見る人によって無限の感想や解釈が生まれる。オーロラドリームはそんな多面的な物語なのだと感じました。

 

◎最後に

色々と書いてきましたが、オーロラドリームはあくまでも女児向けアニメです。

ご都合主義な部分もあります。主人公補正や、アニメ特有の運の良さ、恋も友情もこんなに上手くいくわけない。見ている中でそれらを感じることもあると思います。

しかし、子供向けな部分を差し置いても素晴らしいアニメです。

このアニメから何かを学んで欲しいだとか、教訓にしてほしいだとかそんなことは思いません。ただ見て欲しい。この物語を、みんなの人生を見届けてほしい。楽しいことも苦しいことも、幸せなことも、寂しいことも、全部全部この中には詰まっていて、私たちはただ見守ることしか出来ないけれどそれらを全うして先へ進もうとする子供たちを見つめていて欲しいです。

このブログがプリティーリズムシリーズを知るきっかけになれば幸いです。

 

プリティーリズムオーロラドリームの配信サイト

・U-NEXT (最初の1ヶ月は無料で視聴が可能です)

www.video.unext.jp

 

dアニメストア

anime.dmkt-sp.jp

 

ニコニコ動画

ch.nicovideo.jp

 

とっても楽しい51話でした。次はディアマイフューチャーだ!!!!

それでは。なりたい自分にプリズムジャンプ!!! またね~~!!