Fate/EXTRA CCC プレイ後雑記

こんにちは。ブログというものを本当に久しぶりに書きます。

タイトルの通りCCCプレイ後の雑記です。

 

前置きとEXTRAについて

昨年夏。FGO内で行われたサバ・フェスなるイベントで、まんまとロビンフッドの魅力に当てられた私は悩んだ挙句彼の初出ゲームであるEXTRAを購入。これが9月のことです。

Fateは初代Deen版とZeroのアニメしか見たことがなかったので、私にとってEXTRAは初めて触れるFateのゲームでした。FGOはまた毛色が違うので除きます。

 

Fate/EXTRAというゲームはいわゆるRPGです。

どんな願いも叶える万能の願望器である「聖杯」を求めて戦うというのは他のシリーズと共通していますが、stay nightやZeroがバトルロワイヤル形式であったのと異なり、トーナメント性になっています。

サーヴァントと呼ばれる過去の英雄が実体化したものをパートナーとし二人一組で戦う。7回戦まで勝ち抜いた後に聖杯が与えられるという極めて単純なルールでした。

舞台は月に築かれた電脳空間という超SF設定ですが、学校内でのバトルかつ参加者の多くが生徒の様相をしているので学園ものとしての側面も楽しめましたね。

プレイヤーは主人公(マスター)を操作してサーヴァントと共に戦っていくのですが、この主人公は非常に自己投影しやすい作りになっています。ビジュアルは決められているものの、声の付いたセリフはありませんし趣味趣向も曖昧です。そのため、ゲーム内での人間関係や戦闘における勝敗がダイレクトに自分自身に伝わってきました。

 

EXTRAではトーナメント制を取っているため、負けた相手は消滅するというルールが課せられます。これは他のシリーズと違ってかなり残酷な部分だと思います。

主人公は聖杯にかける願いなんてありません。ただ生きたいから勝ち残る。

でも他のキャラクターは違うのです。

残したかった記録があった、矜持があった、信仰があった、使命があった、責務があった。自分よりも大切な思いを抱えた彼らを殺して主人公は勝ち進みます。

私は、EXTRAに対して「思いを引きずる物語」だったと感じました。

キャラクター越しであっても自分の手で人を、サーヴァントを殺す感覚はあまり気持ちのいいものではありません。だからこそ後味の悪さだったり、殺した分の相手の思いに引きずられながらより勝利に向けて努力するという仕組みが出来上がっていたと思います。

その分、深い絆で結ばれたキャラクターもいるのでバランスが良いゲームでした。サーヴァントや主人公の性別も選択できたりして、周回要素があるのも楽しいです。

 

 

CCCとは

CCCはEXTRAの続編です。こちらはダンジョン型RPG

あるバグが起こり聖杯戦争から逸脱した「月の裏側」へ連れ去られた主人公。同様に拉致されたメンバー達と事態を解決し、元の聖杯戦争へ帰還するというのが主な目的です。

前作同様サーヴァントがついてきてくれますが、内容の関係からも明確な味方・敵が用意されていました。

味方はEXTRAで戦ってきた参加者や健康管理AIの「桜」 

敵は「BB」と名乗る桜そっくりのAIやその傘下の者達

打倒BBを掲げ生徒会を結成するなど、かつての敵が仲間になって敵を倒すという王道展開を楽しむこともできます。

BBが作り出した迷宮を突破して、各章に配置されたボスを倒したり仲間にしたりしながらBBをやっつけよう!というまさに王道中の王道RPGなんです。

迷宮には勿論色々ギミックがあって、各章のボスが全員女性キャラクターであり彼女たちの秘密を獲得することで道が開けていくというギャルゲーチックな構成も。

ギャグ要素も多くて前作であんなに冷静だったあのキャラが…のような性格の変化も楽しめます。

 

 CCC1周目(※ここからネタバレ有)

CCCは周回必須のゲームです。1周目は上記にあるように、BBを倒すことでゲームクリアできます。また条件を満たすことで選んだサーヴァントと個別EDを迎えることも可能です。結婚できるキャラもいます。嬉しいですね。

 

1周目の雑感は「CCCは託される物語なのかもしれない」でした。

味方がいると書きましたが、味方が全員生き残るとは限らないのが物語のつらいところです。迷宮が深くなっていくほどに敵は強くなり、途中でBBとの決戦や危険な事態も多くありました。もうだめだと諦めてしまいそうになることだって何度も起こりました。

そんな時に身を挺して守ってくれるのが味方――かつての聖杯戦争で敵だった彼らだったのです。

 

ガトーという馬鹿がいました。あらゆる宗教を極めた彼は人生にはつらいことがあるが、それはただ間が悪かっただけなのだと結論を残して消えました。そんな呆れるような結論は、人生がつらくて引きこもってしまった女の子を救いました。

 

レオという男の子がいました。彼は理想の統治者になるために聖杯戦争に参加し、最強とまで言われましたがそれでもBBには及びませんでした。だから主人公に全てを託すと言って自分のスキルを受け渡して退場しました。

 

ユリウスという青年がいました。彼は弟であるレオのためだけに生きてきた孤独な男でしたが、EXTRAで主人公と友情を誓い合いました。それは本当に些細な一瞬の出来事でしたが、ユリウスは友人のためにと命を落としました。

 

シンジという少年がいました。彼はプライドが高く、記録に固執した子供でした。しかし、それほど欲しかった記録は何一つとして残せませんでした。

そんな彼が最後に縋ったのは記憶。自分のことを思い出してくれる誰か。

主人公ならきっと自分のことを忘れないだろう、自分のために泣いてくれるだろう。だったら「仕方ないけど」ここで犠牲になると主人公を守りました。最期まで誇り高い少年でした。

 

特筆すべきはこの四人でしたが、様々な人・サーヴァント・NPC達があらゆる形で主人公に想いを託してくれました。前作では引きずるしかできなかった想いを、ちゃんと受け取って敵を倒す。

CCCはまた別の物語ではあるのですが、地続きになっている部分が多く主人公や周囲の変化が如実に感じられる感動がありました。

しかしものすごくポエミーに書いてしまって読み返すのきついだろうなと考えています。

 

CCC2周目

CCCは周回をすることで『CCCルート』なる別ルートが発生しそのEDに辿り着くことで物語の真相が分かる構成になっています。やり込み要素が半端ない。どうなってるんだ型月。ありがとう型月。型月のことはよく知らないけど大好きになってしまいます。

 

基本的には1周目と同じ目的で話は進んでいくのですが、このルートでキーになるのが「桜」の存在。桜はEXTRAから存在している健康管理AIで、前作では物資の支給や緊急救護といった事務的な役割しか見られませんでした。会話もほとんどなかったです。

しかし今作では積極的に主人公周辺のサポートを行い、選択肢によっては二人きりで話す時間も設けられます。勿論この選択肢がCCCルート発展へとつながります。

一緒に過ごす中で桜自身も成長していく。AIは学習するものですが、桜のそれはどう見ても人間の心が芽生えていくよう。主人公は桜を気遣ったり、共に過ごす中で桜に対する特別な感情を意識していくのです。

そして、同時になぜBBは自分たちを連れ去ったのか?BBの真の目的は?などの疑問が生まれていきます。

BBは桜とそっくりなAIなのですが、桜は同型機と説明していました。しかし実際は桜のバックアップだったことが判明します。つまり元は同じ桜なのです。

同じはずなのに敵になってしまった。同じ見た目で異なる言動、聖杯戦争への帰還に対する妨害。

 

そこにはBBだけが持つ記憶が関係していました。

 BBが隠していたのは「主人公との思い出」「主人公への明確な好意」

それは元々桜が生み出したものですが、AIである桜にとってそれは余計なものでした。忘れないと、なかったことにしないとバグを抱えていると認識されて運営に消されてしまう。でもどうしても消したくなかった桜はバックアップである自分に移行して、自分自身はその記憶を消しました。

思い出と好意を与えられたバックアップの桜は暴走を始めます。主人公を守りたい。大好きだから聖杯戦争なんて場所に戻したくない。だったら、連れ去って安全な場所に隔離してしまえばいい。

バックアップの桜は「BB」として力をつけて主人公を守るために全ての行動を開始したのです。それが、主人公たちが月の裏側へ連れ去られた理由でした。

この辺りのBBちゃんの心境は主題歌のサクラメイキュウそのままですね。良い歌です。

 

そして、ただのAIがそんな風に自意識を持つようになるのにはきっかけがありました。

きっかけを作って自意識を認識させ、BBを暴走させるように仕向けた人間こそが黒幕だったりしたのですがその辺りは割愛します。

 

結末としては真の黒幕を倒し、桜と結ばれてハッピーエンドです。

桜を選んだため1周目で個別EDを迎えたサーヴァントとは別れを迎えてしまいます。

この別れもまたつらいんですよね。だって前作からずっと一緒に戦ってきたのに、一緒にいられないんですよ。しかも向こうは精一杯の強がりで送り出してくれる。

想いを託されるどころじゃない。ほとんど呪いにも近い別れなのに、あんまり力いっぱい背中を押してくれるので振り返ることすらできないくらい。

そしてBBのことも一緒に救おうとするのですが、彼女もまた主人公を守って消えてしまうのです。いっそ全員選ばせてほしい。悔しいですよ。目の前にいる女の子一人助けられないで去っていくことしかできないというのは。

最期に名前を呼んであげたかった。抱きしめてあげたかった。と後悔した人も大丈夫。

CCCルートを終えた後にはBBちゃんおまけモードが発生し、彼女と二人だけの空間が展開されます。福利厚生がしっかりしすぎて逆に怖くなってきますね。

 

CCCはどんな物語だったのか?

2周目で真相を知ると、このゲームに対する価値観が変わります。

「これは愛を知るための物語」だと私は感じました。

1周目では主人公の視点から敵を倒すRPGでありながら、パートナーとの絆を育むことができる。(これは選んだサーヴァントにもよるとは思いますが…)

そこに恋が生まれても、生まれなくても確かに愛があると思います。例えば親愛や、友愛、敬愛と呼ばれるものです。それは他のキャラクターにも適用されます。

誰かのことを信頼して命や願いを託すなんて愛がなくてはできないからです。

 

 2周目では更に様々な愛の形を知ります。

桜がBBに預けた「秘められた愛」 

敵として登場したアルターエゴの「一方的な愛」そしてその結末

黒幕であるキアラの「人類愛」またの名を「自己愛」

(キアラに関しては私が語るよりもwikiを読んだ方がずっとよくわかると思いますので貼っておきます)

typemoon.wiki.cre.jp

 

様々な愛がありました。成立したものも破れたものも、全て含めてやっぱり美しくて同時に汚くてそれでいて一つ一つ形が違う。愛は、全部が全部特注品なのだと思います。

だからキアラが欲しがったのも当然です。それらを浴びて暮らせたらきっと幸せだけど、愛を消費して幸せを感じられるならもう人間とは呼べない。

そして人間じゃなくなったキアラに恋をしたのは、人間嫌いのアンデルセンだけだった。

このキアラとアンデルセンの結末は戻るべき道を戻らないと見られないのですが、とてつもなく綺麗なオチだったと思います。敵にもしっかり花を持たせる終わり方が好きなので、つい放心してしまいました。

 

CCCは一貫してアンデルセンがナレーションを務めます(一部例外もありますが)

終わってみると、アンデルセンがキアラのためだけに綴ろうとした物語だったのかなとも思いました。駄作だったのか名作だったのか、読者の手に委ねられるものですが、私はオチが良ければ名作だと思っているのでやっぱり名作なんだと思います。

 

 何よりも、これは桜という一つのAIが愛を知って一人の人間になる物語でもあるのです(これは比喩でなく桜は少しだけズルをして、本当の人間になります)

 

 最後に

長くなってしまいましたが、EXTRAもCCCもすごく楽しかったです。特にCCCでは前作で面倒だったレベル上げに関する問題などが改善されていてシステム的にも快適でした。衣装も増えたし。

CCCまで終えて強く感じることは、全員可愛いということです。全員の悪い面もいい面も見せた上でキャラクターの魅力を引き出してくれたゲームは本当に久しぶりにプレイしました。もっとこのキャラのことを知りたいと思った時点で退場してしまったりするのも心惹かれる演出で……聖杯戦争関係なく全員と仲良くなれて遊んだりできるゲームを出してほしいです。

あとEXTRAは全サーヴァントクリアしましたが、CCCはセイバーでしかプレイしていないのでこれから他のキャラでもプレイしていきたいです。

 

終わりに。

FGOでCCCコラボイベントが行われた際に、賛否両論あったことも知っています。当時はプレイしてなくて内容もネタバレを見たわけではないので詳しく知っているわけではないですが、今ならそのキツさとかがはっきり感じられるのかもしれません。

キアラさん実装されてるし。最悪な女ですよ本当に。私は最悪な女が大好きなので嬉しいですが…。

FGOに出てくる中には月での思い出を忘れてしまったサーヴァントもいると思います。BBちゃんと、メルトもリップもマスターが変われば性格だって多少変わってしまっているのかもしれません。そもそも存在理由がよく分からなくなるし。

でもまた復刻してくれるなら楽しみにしています。とにかくそばにいてほしいという気持ちがあるので…。そこから新しい人間関係が生まれて、変化していくならやっぱり楽しみです。

 

それでは。

 

 推しの話も書きました。良かったら。

omochi-1301.hatenablog.com