CCCプレイ後 雑記2  推しの話

推しの話していいですか?推しの話をしますね。

 

ロビンフッドとは

みなさんはロビンフッドを知っていますか?名前くらいは聞いたことがあると思います。シャーウッドの森に潜み、悪徳領主を倒して奪った富で村人を助けた義賊。イギリスの伝説的アウトローヒーロー。

コトバンクにも載ってます うれしいね

kotobank.jp

 

私の推し、Fateにおけるロビンフッドはこの英雄本人ではありません。彼曰くロビンフッドの中の一人だそうです。ロビンフッドの中の一人であって、ロビンフッド本人ではない。

彼は元来信仰の関係上迫害を受けていた青年でしたが、村を守りたいという思いから森に潜んで悪を討つ義賊となります。その行為を繰り返すうちに人々は彼をロビンフッドと呼ぶようになりました。その肩書を得た彼は元の名前を捨て、孤独に生きるロビンフッドとして若き人生を全うしました。

迫害を受けていたものの村の生活を愛し、しかし村人達からはその愛を無下にされてきた報われない男でした。もうwikiを見てくれ。wikiが全部だ。

typemoon.wiki.cre.jp

悲しすぎるでしょ。どうなってんの。私が村人だったら即結婚してましたよ。

何人もいた~は型月オリジナル設定ですが、当時の文献などでもロビンフッドが存在していた時期などにばらつきがあるため実際に複数人いた可能性もあるとは思います。

 

 

EXTRAにおけるロビンフッド

EXTRAでは2回戦の相手として登場します。マスターはダン・ブラックモアという名の老人なんですがこのダン卿がまた出来た人なんですよ。

ダン卿はかつてイングランド王国のために戦った騎士。狙撃手でありながら女王からサーの称号を賜った、それこそ国が認めた栄誉ある人です。かつては国のために汚い手段を使うこともありましたが、この戦いでは騎士として正々堂々闘うことを心掛け、敵に対しても敬意を払い、毎日のお祈りを欠かさず……といった風に主人公から見ても素晴らしい人なんですね。

だからロビンフッドからしたら雲の上のような存在なんです。 

「正統な英雄ではないのに」

「森に潜んで卑怯な手を使わなければ勝てなかったのに」

「正々堂々闘って負けさせるわけにはいかないのに」

作中でもそんな思いが見え隠れするやり取りが多かったです。どうして自分だったんだろう、どうして他の真っ当な英雄が選ばれなかったんだろう。自己否定気味な彼は、ダン卿から正々堂々闘うように命じられても卑怯な手を使って勝利を獲得しようと奔走しました。

1回戦では対戦相手を闇討ちしたような描写がされていましたし、主人公に対しても罠や禁じられていた奇襲を仕掛けてきました。そういった卑怯な手段はダン卿の手で改めて禁じられ、正々堂々闘うことを余儀なくされるのですがこの辺りでかなり不本意そうにしていたことからも、彼が正面から闘って負けることを恐れていたのがよく分かります。

どうしても勝たせてあげたかったんですよね。自分が尊敬するこの人を、先に進ませてあげたかった。願いを叶えさせてあげたかった。だから自分の手を汚してまでも戦おうとしたのに、全部封じられる。それは暗に「自分の矜持を優先しろ」と言われているようなものです。

 

ダン卿がロビンに言った言葉の中でとても好きなものがあります。

「これは国と国との戦いではない。人と人との戦いだ。畜生に落ちる必要は、もうないのだ」

ヤバくないですか。こんなに美しい救済があるかよ。これは自分自身にも向けた言葉でもあると思うのですが、本意に反した奇襲・卑怯なやり口を畜生に落ちると断言した上でもうそんな戦い方をして身を汚さなくていいと言っているんですよ。

ロビンはひねくれものなのでこう言われてもなお反発したんですが、内心どう感じていたのか想像がつきます。尊いってこういうことを言うんですね。

 

でも主人公が主人公である限り、二人が勝つことはありません。

得意としてきた汚い戦術は禁止されているし、迎え撃つのは皇帝だったり自分とよく似た誰かだったり傾国の狐だったりととにかく腹の立つ相手だし。

でも闘ってる時はすごく楽しそうでした。本当に楽しかったんだろうな、と思っています。勝つのが惜しくてわざと負けたりもしました。EXTRAでは7つの戦いがありましたが、2回戦は本当に特別な戦いです。

 

ロビンフッドがダン・ブラックモアからもらったもの

「そもそも戦いなんて上等なもん、オレにできるとは思わなかった。思えば、生前のオレゃあ、富も、名声も、友情も、平和も、たいていのものは手に入れたけどさ、それだけは、手に入れることができなかった。――だから、いいんだ。……最期に、どうしても手に入らなかったものを、掴ませてもらったさ――」

これは二人が消滅する際にロビンがダン卿に向けた言葉です。聞かせるつもりもないくらいの小声というモノローグが入っていたので、心からの本心なんでしょう。

どうしても手に入らなかったものは誇りなんだと思います。FGOに騎士の矜持という礼装があるのですが、まさにそれをもらったはずです。

正統なロビンフッドではなく彼が呼ばれた理由は分かりません。

騎士に憧れを抱いていたから呼ばれたのかもしれません。何かのために戦って大切なものを見失った者同士だったからかもしれません。弓兵と狙撃手という繋がりだけなのかもしれない。でも、誇りをもらったから全部良いんです。

もしかしたらもうとっくに自分の名前なんて思い出せなくなってしまったのかもしれないけれど、2回戦で戦っていたときだけは肩書のない自分に戻れていたらいいなと思います。

 

CCCにおけるロビンフッド

CCCでは敵であるBB側についたサーヴァントとして登場します。BB曰く、消滅する寸前の彼を拾って復元してあげたらしいのですが拾ってくれてありがとう以外の言葉が出てきません。

EXTRAだと皮肉屋で素直になれない毒舌家ですが、CCCだとかなりギャグっぽい面が強調されてますね。すごい圧力の水鉄砲で撃たれるわ、穴に落とされるわ、アーチャーさんの宝具って役に立ちませんよねとか言われるわ散々な扱いでした。もう地雷女に対する耐性が出来上がってるんだよなここで。素晴らしい順応力。

そんな扱いを受けながらもBBのボケにつっこんであげて、めんどくさがりなパッションリップの世話を焼いてあげる。仕事はきっちりこなすタイプっていう本当に都合のいい男だったんですよね。描写はされてなかったけど他にもいろいろやってそうな感じがしました。この辺りがFGOの世話焼き保護者系ポジションに繋がっているのかと思うと胸が熱くなります。

 

そんなギャグ一辺倒気味な彼にもシリアスなシーンはあります。

一度目は陰から主人公を助ける場面。二度目は危険を顧みずBBのデータを盗み、主人公に渡すシーンです。ここでは戦闘も発生するので、敵としての役割をこなしながらも主人公に想いを託すという名シーンです。この後消滅してしまうのも含めて。

「敗れたとはいえこれは旦那の戦いだった。…それをくだらねえ個人の欲でどうにかしていいもんじゃねえんだよ」

このセリフからダン卿に対する気持ちも感じ取れます。EXTRAを経て人を信じられるようになったロビンフッドが、CCCで主人公に自分の感情を託す。出番は限定されていましたが、彼の成長が伺える物語でもあったと思います。

CCCではギャグ・シリアス両方こなしながらも自分が大切にしていたものを手放そうとはしない、そういう立ち位置にいたのかなと考えています。

 

BBとロビンフッドの関係性

ダン卿とロビンはマスターとサーヴァントであると同時に、師弟のような祖父と孫のような上手く言葉にしがたい関係でした。これは人によって捉え方が異なると思いますので断言はできません。

ではBBとはどうだったのか。1周目では主従関係、雇用関係に過ぎないと考えていました。主人公に詳細データを渡して「これは旦那の戦いだった…」と言っていることもあり、どちらかといえば憎んでいるのかと考えていたのですが、2周目で考え方が大きく変わります。

こちらで語ったように2周目だとBBの目的と黒幕の正体が判明します。それに加えて、ロビンの行動も少し変化するんですね。上記のようにデータを渡して戦うところまでは同じですが、その後に「BBの詳細データ2」なるものを渡してきます。

わざわざ「本命はこっちでね。あいつが何より大切に隠していたものだよ」「他の誰でもない、おまえさんにだけ意味のあるものだ。……そこにきっと真実がある」なんて意味深なセリフまで残して消滅します。

この詳細データ2こそがBBの秘密。世界を敵に回してまで守りたかった大切な主人公との思い出。たった一人に対する純粋な好意。

憎い相手の詳細データを渡すところまでは分かります。だって倒してほしいから。

でもそんな思い出を本命だ、真実だと呼んで手渡す理由が憎いからなわけがない。彼の行いは引き出しの奥にしまった鍵付きの日記帳を引っ張り出して、好きな人に渡してこれ読んでおいてねって言うような、ある種のデリカシーのない行為にも見えます。

でもその日記帳に書かれたことがこれからの未来を変えてしまうようなことだったら?ずっと悪役だと思っていた女の子が、本当はただ一人を守りたいだけだったと知ったら?

主人公はきっと結末を変えるだろう。BBを救うために奔走するだろう。自分が接してきた彼ならそうしてくれるはず。そこまで信じて、データを渡したのなら、ロビンはBBに対して特別な感情を抱いていたのかもしれないと考えられます。

そうなるとこのセリフの意味も変わってくるんです。

「敗れたとはいえこれは旦那の戦いだった。…それをくだらねえ個人の欲でどうにかしていいもんじゃねえんだよ」

小さな村を守りたくて権力を敵に回したロビンが、ただ一人の人間を守りたくて世界を敵に回した女の子の気持ちを「個人の欲」と言い捨てるはずがありません。

くだらねえ個人の欲は「自分が気持ちよくなるためだけに神に上り詰めようとしている殺生院キアラ」のことを指していたのかもしれない。黒幕にも、真相にも気づいていたのかもしれない。あくまでも可能性の域を出ない考察ですが。

でもやっぱり、ただの青年だったから黒幕を討つことは出来なかったんだろうなぁとも思います。

 

ロビンフッドはBBを助けたかったか

私は、助けたかったんだと思っています。BBはその思い出を何よりも大切に隠していました。知られないように必死だったんです。つまり自分が悪人になっても良かったと考えていたのだと思います。

ロビンフッドはそんな風に生きた人でした。名前も顔も隠して、義賊という皮を被って人を殺しては村に明日を与える。村が一日でも存続するのなら自分は悪人になっても構わない。誰に褒められなくても、この功績が残らなくてもいいという考えの持ち主。

でもそれは虚勢に過ぎません。

本当は褒められたかった。称えられたかった。顔も名前も隠さないで、個人として日の当たる道を浴びたかった。だからこそダン・ブラックモアに憧れたのでしょう。真っ当な道を歩んでサーの称号までもらった彼を。

そんな憧れの人に「もう畜生に落ちる必要はない」と言ってもらえた。悪人にならなくてもいいと許してもらえた。ロビンは誰かに許される幸せを知ってしまったので、自分と同じ道を歩もうとしているBBを見ていられなかった。でも自分では救えないから、彼女が唯一好きな人である主人公に全部託した。

 

都合のいい解釈だと思います。でもこうだったらいい。

ダン・ブラックモアに救われたロビンフッドが秘密裏にBBを救う手助けをする。

悪を懲らしめて善を救うことを良しとした、義賊だった彼の精一杯の愛だったと信じたいです。本当ズルいポジションだよなぁ~~~~!!!!!!!!!

 

最後に

すごく長く語ってしまった。楽しかったです。

FGOでもBBちゃんとロビンの関係はあまり変わりません。でも、BBちゃんはその仕事ぶりを評価しているようですから、それも含めて彼のことをBBちゃんなりに愛していて欲しい。

それからBBちゃんは好きな相手を豚扱いすることで有名ですが、夏のイベントでは豚にされたくなかったら頑張って働いてくださいというようなことを言われていました。

かなり心許してませんか?ほぼ愛してると同義では?

これからもこういう話をどんどんやっていけたらいいな~。いつ飽きるのか分からないけど。とにかく楽しかったです。ありがとうございました。